「構成図の意味がわからない」「デメリットが心配」をこの記事を読んでいただく事で完全解決してもらえたらと考えております。ぜひ最後までご一読いただけると幸いです。この記事では、「フルクラウド型」「アダプタ設置型」「IP-PBX」の違いと失敗しない選び方のご紹介です。
FAST READ|30秒で読めるこの記事の結論
「クラウドPBXを入れてしばらくしたら電話が鳴らなくなった」
「音が悪くて取引先からクレームが来た」
——こうした声は、導入前の構成理解が不十分だったことが原因のほぼ90%です。
本記事では、導入15年以上の実務知見をもとに、クラウドPBXの4つの構成タイプを構成図で解説し、6つのデメリットとその具体的な回避策を余すことなくお伝えします。「なんとなく導入」を「確信を持った導入」に変えるための完全ガイドです。
📋 目次
クラウドPBXを正しく理解するには、まず「PBX(Private Branch Exchange)」という概念を押さえる必要があります。PBXとは、企業内の複数の電話機と外線を結ぶ「電話の司令塔」です。内線通話・保留・転送・代表番号着信などビジネスフォンの機能は、すべてこのPBXが制御しています。
従来は、この司令塔をオフィスの壁面に物理的に設置していました。機器代・配線工事代・保守費用がかかり、引っ越しのたびに工事が発生し、拠点ごとに同じコストが繰り返し生じる——それが「ビジネスフォン問題」の本質です。
クラウドPBXは、この司令塔をインターネット上のクラウドサーバーに移したサービスです。企業側はサービスに「申し込むだけ」で電話システムが手に入り、スマートフォン・PC・IP電話機など多様なデバイスを内線として使えるようになります。
💡 一言で言うと:「社内に置いていた電話の司令塔をクラウドに引っ越したサービス」。引っ越しによって、場所の制約・工事の手間・保守の負担が大幅に軽減されます。
クラウドPBXには大きく4つの構成タイプが存在します。「何をどこに置くか」が変わるだけで、初期費用・通話品質・セキュリティ・使える電話番号がまったく異なります。
インターネット ↔ クラウドPBXサーバー
↔ スマホ / PC / SIPフォン
オフィス内に機器を一切設置しない、最もシンプルな構成。申し込み後にデバイス(PC/スマホ等)へアプリをインストールするだけで稼働します。
✅ メリット
⚠️ デメリット
光回線 → ONU → VoIPゲートウェイ
→ SIPフォン / スマホ/PC
小型のVoIPゲートウェイ(アダプタ)をオフィスに設置。光回線経由で安定した音質と既存番号継続を両立します。
✅ メリット
⚠️ デメリット
光回線 → ONU → IP-PBX専用機器
→ SIPフォン(LAN接続)
社内にIP-PBXの専用ハードウェアを設置。クラウドに依存しない高いセキュリティと安定性を実現します。
✅ メリット
⚠️ デメリット
自社サーバー(SW導入)
→ SIPフォン / PC
既存の自社サーバーにソフトウェアをインストール。HW型より安価でありながら高い拡張性を持ちます。
✅ メリット
⚠️ デメリット
「結局どれが自社に合うのか」を判断するための比較表です。◎→○→△→✕の順に評価しています。
| 比較項目 | ①フルクラウド型 | ②アダプタ設置型 | ③IP-PBX(HW型) | ④IP-PBX(SW型) |
|---|---|---|---|---|
| 機器の設置 | 不要 | 必要(小型) | 必要(専用機) | 必要(サーバー) |
| 初期費用 | ◎ 最小 | ○ 中程度 | ✕ 高額 | △ 中〜高 |
| 月額費用 | ○ 月額のみ | ○ 月額のみ | △ 保守費追加 | △ 保守費追加 |
| 拡張性 | ◎ 設定のみ | ◎ 設定のみ | ✕ 機器追加必要 | ◎ 設定のみ |
| 既存番号の引継ぎ | △ 要確認 | ○ 対応可 | ○ 対応可 | ○ 対応可 |
| 緊急通報(110・119) | ✕ 不可(IP型) | ○ 可能 | ○ 可能 | ○ 可能 |
| 通話品質 | ○ 回線に依存 | ◎ 安定 | ◎ 最高 | ○ 安定 |
| セキュリティ | ○ 高い | ○ 高い | ◎ 最高 | ○ 高い |
| テレワーク対応 | ◎ 最適 | ◎ 対応可 | ○ 要設定 | ○ 要設定 |
| こんな企業に向く | スタートアップ・完全リモートワーク | 中小企業・既存番号継続したい | 金融・医療・セキュリティ重視 | IT部門あり・拡張重視 |
📌 ポイント:「初期費用が安いからフルクラウド型」と即断するのは危険です。050番号タイプでは緊急通報が使えず、コールセンターや医療施設では致命的な問題になります。必ず業種・用途に合わせて選んでください。
選ぶ提供会社の「選び間違い」は通信コストの増大や業務停止リスクにつながります。
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ここが本記事の核心部分です。「デメリットを理解してから導入した企業」と「後から気づいた企業」では、満足度に天と地の差があります。6つのデメリットを、事実の説明と具体的な回避策とセットで解説します。
⚠️ 具体的な問題
クラウドPBXはサブスクリプション型のため、利用する限り月額料金が発生します。業界相場は1IDあたり月1,500〜2,500円。従来のビジネスフォンは一括購入で長期間使えましたが、クラウドはその考え方が通じません。ランニングコストで比較すると、従来型より高くなるケースもあります。
✅ 回避策
「1IDごと課金」より「20内線まで定額」プランを選ぶ。4名以上の利用なら定額プランの方が1名あたりコストが大幅に安くなります。また、通話料込みの月額固定プランや、拠点間通話が無料になるサービスを選ぶことで総コストを下げられます。
⚠️ 具体的な問題
050番号を使うIP電話タイプでは、110(警察)・119(消防)・118(海上保安)に加え、0570(ナビダイヤル)・177(天気予報)・117(時報)なども発信不可。コールセンターや医療・介護施設など、スマホ持込を制限している職場では特に深刻なリスクです。
✅ 回避策
光電話タイプ(市外局番プラン)を選択することで完全回避できます。アプリからの緊急発信は光電話タイプでも非対応のため、オフィスに置き型SIPフォンを1台設置しておくことを強く推奨します。
⚠️ 具体的な問題
クラウドPBXはインターネット回線を使うため、帯域幅の不足・Wi-Fiの不安定・輻輳が音質に直撃します。「声が途切れる」「エコーが発生する」「一方的に切れる」といったトラブルは、8割がたオフィスの回線環境に起因します。
✅ 回避策
クラウドPBX導入と同時にオフィスの回線を見直すことが基本。推奨帯域は1チャネルあたり最低100kbps。Wi-FiよりLANケーブル直接接続が安定します。光回線の法人向けプラン(フレッツ 光クロスなど)への変更も有効です。
⚠️ 具体的な問題
クラウドPBXは各社が独自開発するため、音質・UIの使いやすさ・システムの安定性に雲泥の差があります。比較サイトのランキングだけを信じて契約した結果、「ノイズが多い」「アプリがよく落ちる」「サポートがつながらない」という報告は珍しくありません。
✅ 回避策
必ず無料デモを実施し、実際の音質を耳で確認してから契約を決めること。官公庁・上場企業などの信頼性ある導入実績があるサービスを優先してください。ISO27001などの認証取得状況もセキュリティ指標になります。
⚠️ 具体的な問題
IP電話タイプ(050番号)では、長年使ってきた082・083・086・087・088・089などの市外局番を引き継げないケースがほとんどです。名刺・ウェブサイト・取引先への周知など、番号変更に伴う業務コストは軽視できません。
✅ 回避策
光電話タイプ(ナンバーポータビリティ対応)を選択すれば既存番号を維持できます。ただし現在の回線種別によっては引継ぎ不可のケースもあるため、契約前に必ず確認を。NTT以外の回線でも対応しているサービスが増えています。
⚠️ 具体的な問題
クラウド上でデータを管理する性質上、不正アクセス・通話内容の盗聴・ID乗っ取りによる不正発信のリスクは残ります。特に、社員の端末紛失による電話帳データ流出や、弱いパスワードを悪用されたなりすまし被害の報告が近年増加しています。
✅ 回避策
ISO27001やプライバシーマークなどセキュリティ認証を取得したベンダーを選ぶことが第一歩。定期的なパスワード変更、多要素認証の導入、端末紛失時のリモートアカウント削除機能の確認が具体的な対策です。社員へのセキュリティ教育も欠かせません。
⚠️ 重要:デメリット②「緊急通報非対応」は、コールセンター・医療機関・工場など、スマホ持込を制限している職場で特に深刻です。「050番号で安く済んだ」と思ったところで、緊急時に電話が通じない事態が起きても取り返しがつきません(コールセンター、医療・工場職場内に持ち込めないが、個人所有等のスマホから発信で代替えできる)。
「比較表を見たけど結局どれにすればいいのか」——あなたの状況に当てはめて判断してください。選び方ガイドとして模範例をご紹介いたします。
→ フルクラウド型(050番号)が最適 初期費用を最小化しスピード導入が可能。050番号でOKなら最短3営業日で稼働できるサービスも。スマホだけで全員が動く組織に最適です(個人的な既存番号を変えたくない等)。専用グループチャットがあれば、なおさら快適な環境を創れます。
→ アダプタ設置型(光電話タイプ)を選択 03・06等の市外局番を維持しながらスマホ内線化を実現。中小企業の最もスタンダードな選択肢です。
→ 光電話タイプ一択+置き型SIPフォン必須 緊急通報対応が必要な業種では、IP電話タイプは選択不可。置き型SIPフォンを最低1台設置してください。
→ IP-PBX(ハードウェア型)が最高水準 金融・官公庁・医療など、データの社外流出リスクをゼロに近づけたい場合はオンプレミスのHW型が最適。コスト増は覚悟が必要です。
→ IP-PBX(ソフトウェア型)が最適 自社サーバーへの構築でカスタマイズ自由度が最大。ライセンス追加だけで増設でき、技術者が社内にいれば保守も内製できます。
→ クラウドPBX(フル or アダプタ型)で拠点間内線を無料化 VPN構築不要で複数拠点を一つの電話システムとして管理可能。拠点間通話が無料になり通信コストを大幅削減できます。
【フルクラウド型】 1〜3万円
【アダプタ型】 3〜10万円
【IP-PBX(HW)】 数十万〜
3,980円〜 (選択サービスによる)
定額20内線プランの相場
1IDあたり 1,500〜2,500円
4名以上は定額プランが経済的
【固定電話あて】 3〜8円/分
【携帯電話あて】 8〜16円/分
【内線通話(スマホ可)】 無料
クラウドPBXの費用比較で見落とされがちなのが以下のコストです。これらを含めた「総所有コスト(TCO)」で比較することが重要です。
💡 コスト削減の目安:クラウドPBXを適切に導入した企業では、従来のビジネスフォン維持費(機器保守・回線費・拠点間通話料)と比較して年間通信コストを40〜60%削減しているケースが多く見られます。
Q.クラウドPBXとIP電話は何が違うのですか?
A.IP電話は「インターネットを使った電話サービス」全般を指します。クラウドPBXはその中でも「複数内線・外線の管理、保留・転送・代表番号着信などの交換機機能(PBX機能)をクラウドで提供するサービス」です。IP電話が「1対1の電話」なら、クラウドPBXは「企業の電話システム全体をクラウドで運用するサービス」とイメージするとわかりやすいです。
Q.固定電話は完全に不要になりますか?
A.フルクラウド型を選んだ場合、固定電話機の設置は原則不要になります。ただし、緊急通報対応・FAX送受信・来客対応など、物理的な電話機が必要なケースがある場合は置き型SIPフォンや複合機を残すことをお勧めします。アダプタ設置型では既存の固定電話機をそのまま活用できます。
Q.インターネット環境が貧弱なオフィスでも使えますか?
A.使えますが、通話品質の問題が発生するリスクが高まります。クラウドPBXに必要な推奨帯域は、同時通話1チャネルあたり最低100kbps程度です。クラウドPBX導入と並行してオフィスの回線増強(法人向け光回線への変更・ルーター更新)を検討することを強くお勧めします。
Q.既存のビジネスフォンはそのまま使い続けられますか?
A.アダプタ設置型やIP-PBX型の一部では、既存ビジネスフォンとの併用が可能なプランが用意されています。段階的にクラウドへ移行したい企業に最適です。ただし接続可能な機種・回線タイプが限られるため、現在の機種・回線を事前に伝えてサービス提供会社に確認することが必要です。
Q.導入から稼働まで何日かかりますか?
A.フルクラウド型(050番号)であれば最短で契約から3〜5営業日での稼働が可能なサービスもあります。アダプタ設置型は光回線の引き込み工事が必要な場合、1〜2ヶ月かかることもあります。IP-PBX型は設計・構築に数週間〜数ヶ月を要します。スケジュールを逆算して早めに動き出すことが重要です。
フルクラウド型なら、初期費用最小・即日導入可能。スタートアップ・テレワーク推進企業に最適。050番号でよければ最速の選択肢です。
アダプタ設置型なら、既存番号継続・安定した音質。中小企業の最もスタンダードな選択肢。光電話で緊急通報も安心な選択でしょう。
IP-PBX(HW型)なら、最高水準のセキュリティと安定性。コストより品質・信頼性を優先する企業向けです。IP-PBX(SW型)は、高い拡張性と柔軟なカスタマイズ。IT部門がある企業・将来的な拡張を見越した企業に適切だと考えます。
クラウドPBXの6つのデメリットは、すべて「サービス選定の段階」で回避できるものです。逆に言えば、選定を誤ると導入後にコストと手間が倍増します。
本記事のチェックリストを使って複数サービスを比較し、必ず無料デモで実音質を確認してから契約を決めてください。正しく選んだ企業は、通信コストを40〜60%削減しながら、テレワークや多拠点展開にも柔軟に対応できる強固な電話インフラを手に入れています。
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