オフィスの移転や従来型ビジネスフォン(以下、レガシーPBX)のリプレイスは、企業が通信インフラを見直す絶好のタイミングです。
ビジネスフォン等の「電話」は、企業が始まって(創業)からずっと「当たり前」に存在してきたため、更新のフェーズでもつい同じ構成を採用しがちです。しかし、クラウド電話(PBX)という選択肢がほぼほぼ一般化・定着化した今、電話システムは「設備」から「サービス」へと劇的に変化しました。ビジネスフォンの受話器を置くだけのデバイスから、CRM連動やスマホのモバイルアプリ(電話だけではなく勤怠管理・経費精算から稟議決裁まで)と連携する、「スピィーディーな情報処理フォーム」へと進化しているのです。
このコラムでは、リプレイス(移転/入れ替え)を検討する企業担当者に向け、クラウド電話(PBX)を導入・利用のメリット・デメリット、費用面の優位性、レガシーPBXを選び続ける場合のメリット・デメリット・リスクをある程度わかりやすい表現でご紹介いたします。読み終える5~8分後には、きっとあなたもクラウド電話(PBX)を選びたくなると思います。
クラウド電話(PBX)は「買わずに借りる」モデルであり、初期投資をほぼゼロに抑えつつ、レガシーPBXと比べるとはるかに安価な工事費用で設置・設定・利用までが可能となります。
改めて、従来のビジネスフォンであるレガシーPBXについてカンタンに書き記します。レガシーPBXは、主装置・専用電話機・配線・工事と四重の支出が不可欠です。さらには専門の工事・設定業者が動く必要があり、工事の期間も総入れ替えとなると深夜までかかる場合も少なくありませんでした。トータルの費用は数百万円前後の一括投資が必要であり、減価償却で5年支払いをしたとしても、キャッシュは前倒しで出て行きます。
一方のクラウド電話(クラウドPBX)は、一般的に月額課金制(1内線あたり数百〜数千円)が中心です。移設時に発生する再設置費は比較すると十分の一ほどになります(もちろん規模や配線設備や大幅なレイアウト変更はこの限りではありません)。要約すると、移転コストと設備投資を同時に低いコストでまかなえる点が、クラウド電話(クラウドPBX)最大の財務メリットです。
クラウドPBXは“席を増やす=IDを発行する”だけ。拠点追加もVPN不要で、在宅勤務やサテライトオフィスと同じUIで繋がります。なぜなら、レガシーPBXは外線数・内線ポートがハードで固定。繁忙・閑散差の大きい業態では遊休ポートが“死蔵資産”となり効率を下げます。
例えば、コールセンターB社(繁忙期50~100席/閑散期180席)は1席単位でIDを増減できるクラウドPBXにより年間約1,200席月を削減、席あたりコスト38%減。IT部門の作業も年間150時間削減。
【Point】
需要変動が大きい業種ほど、“伸び縮み”できる電話基盤が競争力を生みます。
BCP/DR強化:場所に依存しない“無停止”運用
【Point】
クラウドPBXはデータセンター冗長化が標準。災害時でもスマホやPCソフトフォンで受発信を継続できます。
【Reason】
レガシーPBXはオフィス停電=通話停止。2024年能登地震でもPBX水没で3日間通話不能となった例があります。クラウドPBXは多拠点冗長とDNSフェイルオーバーで待機系へ自動切替。
【Example】
製造業C社は台風停電でも自宅Wi-Fi経由で受注応対を継続し、ロスゼロを達成。「止まらない会社」と取引先評価も向上。
【Point】
「会社に電話がある」のではなく「インターネット上に電話がある」——これがBCP時代の標準設計です。
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◆4.ワークスタイル変革:電話が“データ”になる衝撃
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【Point】
クラウドPBXは通話ログ・録音・テキスト化APIを持ち、CRM連携や生成AI要約で“電話DX”を促進。
【Reason】
レガシーPBXはアナログ音声が閉じており分析難。クラウドPBXはREST APIで顧客データと統合し、行動・会話を一体で分析可能。
【Example】
EC企業D社はSalesforce連携+AI文字起こしで後処理2分短縮、年間1,400時間を削減。ネガポジ分析で解約率も1.8pt改善。
【Point】
音声をデータとして扱えるかどうかが、営業効率とCSを左右します。
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◆5.グローバル対応:国際展開を“電話番号”で加速
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【Point】
海外拠点でも同一プラットフォームを採用でき、現地番号を即日発行可能。
【Reason】
レガシーPBXで海外を結ぶと専用線やSIPトランク契約が必要で調達数カ月。クラウドPBXはSIP over TLSでローミング先でも暗号化維持、GDPR/APPI準拠のログ管理も容易。
【Example】
ゲーム開発G社は東京・シンガポール・リモート開発拠点を統合し国際通話料70%削減。
【Point】
“国境のない番号”が海外展開ハードルを下げます。
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◆6.デメリット・導入時の注意点
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【Point】
クラウドPBXも万能ではなく、通信品質とセキュリティ設計を誤ると期待外れに終わります。
【Reason】
1)インターネット依存:回線断対策に冗長化必須
2)遅延・QoS:VLAN/DSCP設定必須
3)110番位置情報:運用ルールで補完
4)機器レンタル費:IPフォン調達で初期ゼロとならない例有
5)サービス停止リスク:SLA精査が鍵
6)セキュリティ:多要素認証と国際発信制御が必須
【Example】
卸売業E社は低速回線のみで遅延多発→専用線+5G冗長化で解消、月+5万円。
【Point】
回線二重化・品質監視・運用ポリシー整備を“最初に”織り込むことでデメリットは制御可能です。
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◆7.従来型PBXを選ぶ場合の劣位性
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【Point】
レガシーPBXは安定していますが、競争力を削ぐリスクが増大。
【Reason】
・資産リスク:簿価残しのまま追加投資
・働き方対応困難:在宅代表受電不可
・人材不足:保守費高騰
・イノベーション格差:AI連携が後追い
・移転コスト:毎回10万単位
【Example】
サービス業F社は10年で3度移転、再設置費540万円を負担し、最終的にクラウドへ“二重投資”する羽目に。
【Point】
保守期限・人員・拡張性を考えれば、レガシーPBX新規導入の合理性は急速に薄れています。
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◆8.費用シミュレーション(概算)
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想定:内線30台/外線5ch/録音あり/5年間
区分 | 初期費用 | 月額 | 5年間総額 | 備考 |
レガシーPBX | 2,800,000円 | 30,000円 | 4,600,000円 | 主装置+電話機+工事 |
クラウドPBX | 250,000円 | 90,000円 | 5,650,000円 | ID課金+回線 |
クラウドPBX(スマホBYOD型) | 70,000円 | 75,000円 | 4,570,000円 | 端末流用 |
※拠点変更が多い事業ほどクラウドが逆転しやすい。固定席・固定拠点ではレガシー優位も残るため、自社の移転頻度・増員計画をシミュレーションすること。
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◆9.導入プロセス:クラウドPBX切替6ステップ
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【Point】
移転前後を最小ダウンタイムで乗り切るには工程管理が不可欠。
【Reason】
番号ポーティングやネットワーク設計、ユーザ教育が並行タスクとなるため。
【Example】
「6ステップメソッド」
→①要件定義
→②帯域設計
→③番号ポーティング(最長20営業日)
→④アカウント発行
→⑤ユーザ研修+試験
→⑥本番移行(並行運用48h)
B社は4週間で全国7拠点を無停止統合。
【Point】
IT部門と現場ユーザが共にロードマップを握ることが成功の鍵です。
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◆10.まとめ(再主張)
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【Point】
移転・リプレイスは電話システムを“モノ”から“サービス”へ切り替える好機。クラウドPBXは初期費用抑制、拡張容易、BCP強化、DX推進、グローバル対応という5つの武器で企業成長を加速。一方、帯域設計と運用ルールが不十分だと期待値と現実のギャップが生じます。
「電話は会社に掛かってくる」のではなく、「顧客がクラウドにアクセスしてくる」のがスタンダード。今こそ『回線が床に縛られないオフィス』を実現するチャンスです。未来の柔軟性を買う保険料は、レガシーの機会損失よりはるかに小さいのです。
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◆11.よくある質問(FAQ)
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Q1:回線が途切れた場合、通話はどうなりますか?
A:モバイル回線や別拠点へ即時転送設定が可能。耐障害ルールを組めば受電ロスを最小化できます。
Q2:FAXは使えますか?
A:eFaxなどに置換するのが主流。紙FAXが必須ならアナログゲートウェイを残すハイブリッド構成が現実解です。
Q3:外線番号を変えずに乗り換えられますか?
A:番号ポータビリティで可能。固定網→IP網でも1~3週間で切替、実質ダウンタイムは深夜帯10分程度に抑えられます。
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